元々、ローラーベアリングが入っていなかった。。。
まず初めに… メーカーの不手際を発見したからと言って、此れ幸いに、その事を騒ぎ立てる気などは毛頭ありません事をお伝えさせて頂きたく。。。決して、あってはならない事ではありますが、今回の場合、とにかく早目の対応を取らせて頂く事が出来て本当に良かったと思います。
先日、ご入庫中の車両のトランスミッションのオイルを交換しておりますと、抜いたオイルの中から少々大き目な砕け散った金属の破片を確認致しました。形状から判断を致しますと、それはクリップの様でありまして… その旨、お客様にご報告。とりあえず、こちらで試乗をしてみる事に致しました。で、確かにミッションから、微細ではありましたが、異音となんと無くスムーズでは無い感触を確認。もう、そうなりますと、これはミッションを引き抜き目視にて状況を確認しなければならない訳でありまして… ただ、プライマーをバラし、またマフラーを取り外し等々、ミッションを引き抜くまでには、どうしても時間が掛かってしまい、それは工賃としてお客様のご負担となってしまう点が、いざ作業を行う方とすれば心苦しく思う所なのでありますが…
引き抜いたミッションのメインシャフト側、カウンターシャフト側のギアには傷などは無く、まず一安心。ただ、やはりミッションケースの底には、うっすらですが金属が粉々になったパウダー状の沈殿物がありまして… やはり、何かのパーツが砕けた事はこれでもう疑う余地は無し。そんな訳で、まずはカウンターシャフトからバラしに取り掛かった所、2速のギアに大きなガタがある事が判明。ここが原因箇所では無いかとの推測の元、ギアをバラして行きますと….. なんと、カウンターシャフトに納まり、2速のギアを支えるローラーベアリングがそこに無いではありませんか。。。瞬時、てっきり、そのローラーベアリングが破損をしたのでは無いのかと思ったのですが、それにしては鉄粉の量が少な過ぎます。などとそんな事を考えていた所、破損をしたロッキング・リングの一部が残っている事を発見。トランスミッションのオイル交換の際に発見した金属片は、コイツであった訳でありますが、すると、その肝心のローラーベアリングは一体何処へ。。。
これは、直ぐに判断が付きました。そのローラーベアリングは、実は、最初から入っていなかった訳でありまして、要は、組み忘れです。。。ミッションを開けたのは、この車両の場合、今回が初めてでありますので、これはもう何をか言わんや。。。最悪の場合、ミッションのギア同士の噛み合わせが狂い、ロックしてしまう事も考えられ無くは無いでの、とにかく早目の対応を取る事が出来て本当に良かったと思います。
抜いたオイルはよく確認をしよう!
今回の場合、御購入から相当の時間が経過した車両ですので、お客様の指示の元、弊社にて修理を完了させて頂きましたが、とにかく本日、皆様にお伝えをさせて頂きたい事は、こうした思いもよらないイレギュラーな事が実際に起こるケースもありますので、プロショップにてオイル交換をされる際は、ほぼほぼ、その確認は行っているでしょうから安心ですが、もしご自分でオイル交換をされる際は、抜いたオイルの状況の確認は面倒でも必ず行なって頂きたく。。。もし、その際、金属片などを発見した際は、大事に至る前にディーラーさんやショップの方に必ず相談をされて下さい。