憂国の記録として… コロナ禍の横浜中華街
写真は2020.4/20 pm21:00頃の横浜中華街です。僕は今、この街 : 横浜中華街に住んでいます。もう何週間も前からですが、中華街からは人の姿が消えました。そしてまたコロナ禍による緊急事態宣言発令の元、こうした風景は現在日本の到る所で見られる事なのでありましょう。
この晩、仕事から帰りつつの車の中で、この今の中華街の風景を誰かが残しておかなくてはならないのでは無いか… などと、ふとそんな事を考える様になり、勝手な使命感を帯びつつ帰宅して直ぐにカメラを携え夜の中華街に出かけました。大通りそして路地裏に至るまで営業しているお店は一軒も無く、またこの日30分程街の中を歩きましたが、すれ違った人はたったの3人。。。
自粛要請の中で静まり返った中華街を歩きつつ、こうした状況下で既に2ヶ月近くも経過をしてしまっている事を思うと、何よりもまずこの突如襲いかかって来た不条理に対する、我々の政府の中途半端でお粗末過ぎる数々の対応に対して心底腹が立って来た次第です。国民の命を守る為に各事業に対して休業の自粛を要請するのであるならば、その間は、お金が入って来なくなるのだから、そこは当然国がその補償をしてやらなければ、その事業は潰れてしまう事なんて火を見るよりも明らかではありませんか!!
数週間前に見たドイツのメルケル首相の国民に対する演説と、彼の国で行われた国民に対する速やかな補償や救済措置の対応は本当に素晴らしかった。例えばドイツと同じ様な対応をこの国の政府が取ってくれていたとしたら、この晩に僕が見た風景はもっと違って見えていた事でしょう。
どんな状況下に追い込まれても、常に強い心を持って、未来を信じ、絶対に困難を乗り越えて行こう。。。商売を始めて今年で20年になりますが、その間、ほぼ毎日そんな気持ちを持って僕の場合はここ迄来ました。しかし、それと同じ事を、今、例えば横浜中華街のオーナーや店主に言ったとしたら、或いは自分がその店の店主だとしたら、その言葉は今回の騒動に限って何ら意味を持たない訳でありまして… 何故ならこのコロナ騒動に関しては、我々には一切、何ら責任が無いからです。
今回の様な世界的なパンデミックや、或いは戦争。先の大地震の時もそうでしたね… 世の中が大きく変わろうとしている事象や天変地異の際、個人レベルの努力などは全く持って無意味である事を、この晩ファインダーを覗きながら痛感致しました。そしてまた同時に、長い人類の歴史はそんな事を幾度も繰り返して来た事にも思いが至りつつ…
日本に取ってはまさに幕末以来の憂国の時。それでも我々は、自分も含め、今まで通りの大人しい日本人として、このコロナ禍により露呈をする事となったこの国の脆弱さや悪しき事の全てを目の当たりにしても、またいつもの通り黙ってやり過ごしてしまうのでしょうか。。。