旧店舗よ、本当にありがとう
昨日のお昼頃だったのですが、買い出しに出掛けたスタッフが戻って参りました際、私は丁度工場に居て作業を手伝っていたのですが、その彼が何やら複雑な表情と共にこう私に告げました。『今、見てきた所のですが… 社長、前の店。壊してます。。。』。
そんな彼の言葉を聞きつつ、当初は何も感じなかったのですが、時間の経過と共に様々な想いが頭を巡りまして、仕事を終えた深夜、妻と2人で旧店舗に向かいました。今から丁度1年程前、自らその土地と建物を手放した訳ですから、当然の事ながら私にとやかく言う資格は全くありません。ただ、実際ににこの光景を目前にした際は、今までに味わった事の無い衝撃に駆られまして、暫し言葉はありませんでした。
この場所にこの建物を建てたのが2006年の事でありました。その年の初夏に着工となり10月にオープンをした訳でありまして、この場所と建物に我々は通算の13年の間守って貰いました。辛かったり苦しかった事の方が断然に多かった13年間でしたが、それでもいつでも変わらずにこの黒い2階建の建物は雨風を凌いでくれていた訳でありまして…
昨年、この場所を立ち去った際は、相当の間、それでもこの建物はこの地にこのまま残っているものだと、そう勝手に思い込んでいた訳でありますが、いよいよそれも終わりとなります。これで、自分は、本当に帰る事の出来る場所が無くなってしまった、などと思った瞬間、不意に『諸行無常』など言う言葉が頭に閃きまして、色々な意味に置いて何とも自分らしい間の抜けた終焉である事を得心した次第です。
この勢いで解体作業が進めば、明日にはこの四角くて黒い2階建の建物は地上から永久に姿を消す事でありましょう。ですので、まだ残っている壁に手を添え、その感触を確かめつつ、そしてまた万感の思いを込めつつ、、、 昨晩は本当の最後の別れを果たして来ました。
そしてまた、物事が、きっと動き出そうとしているのでありましょう。。。